でらぁのーと

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【書籍紹介】ネットの高校「N高」と、「あったらいいな」の教育を考える

今日は、下記の本をご紹介。

 

「ネットの高校、はじめました。 〜新設校「N高」の教育革命〜」

 

 

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この本について

概要:N高についての様子や考え方を伺い知る

2016年4月に開講した、ネットの高校である通信制の学校、「N高」について、

取材を通して見えてきた実際の学校の様子や、考え方等が書かれた本。

 

N高とは?

出版社として、辞典や教科書の出版で教育に関わってきたKADOKAWAと、

ニコニコ動画等で有名なコンテンツ&IT企業のドワンゴ経営統合によってできた、

カドカワのグループの学校法人、角川ドワンゴ学園が運営しています。

その2社だから実現し得た、今までにない教育の形を提供している様子が

本から伺えます。

 

通信制でネットを使うということで、生徒は

 

  • 不登校経験者(半数以上)
  • 尖った才能を持ち、大きな挑戦しているため(世界大会に挑んでいる等)学校に通う時間がない人
  • 面白そうだからと中学生にして自ら通信制を選んだ人

 

など、本当に多様性に溢れています。

 

学校については、先日出ていた、AERAの下記記事にもまとまってます。

dot.asahi.com

 

 

著者

ライターであり、編集者である崎谷実穂さんが取材を行って書いていらっしゃいます。

人材系企業の制作部→広告制作会社→ライター&編集者というご経歴で、

他にも教育の多様性に関する本や、ビジネス書などを書いたり編集したり

されている方です。

 

 

N高の面白さ

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遠足の様子。(N高ホームページより) 

 

上記の記事にもありますが、

ネットの高校と言われて東進ハイスクールのようなものを想像していた私に、

普通の学校でないというのを見せつけられたことをいくつか。

 

  • Slack上で行われるホームルーム
    (講師が教室に入る際のドアが開く音や、号令によってみんなが動く音などを
    言葉で表現しているクラスもあり、リアル。)
  • MRを通して行なわれる中継入学式
  • ビデオゲームで行われる部活
  • ドラクエでクラスメイトと冒険するネット遠足
    (N高で画像検索するとチラ見できますが、ちゃんと制服着てる。。!)
  • プロが顧問の将棋部
  • 「文化祭」という位置づけの「ニコニコ超会議
  • ネットコミュニティ開発部がSlack外も巡回しN高生を見守っている

 

  

下記の言葉からも、角川ドワンゴ学園がやる意義を感じられます。

我々はこれまで、ニコニコ動画を居場所にしている子に対して、外から見守ることしかできなかったんです。でも、そのニコニコ自体が学校になれば、劇的に状況が変わります。すでに、そこに必要としている子どもたちがいるんです。ネットに引きこもっていた子たちが、ニコニコの学校を通じて社会に出る道が開けますよ。

 

 

 

教育について考える

インターネットネイティブな世代の特徴を活かした学校

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MRを用いた中経入学式の様子。(N高ホームページより) 

 

上記の、N高の面白さって、

パッと聞くと、ふざけているのかと思ってしまうものも多いけれど、

これを本気でやっているからすごい。

インターネットネイティブな世代の特徴を活かした学校。

 

エンタメから教育に繋げるって、

そういうものにあまり触れてこなかった私には

そもそも発想として出てこないものばっかりです。

いや、おそらく「ゲーミフィケーションを取り入れよう」と考えて

多少頭をよぎることはあっても、

それをこの方法で本気でやろうという想いまで落とし込めない。

 

私が高校生のとき、高校で携帯電話は使ってはいけないものだったけど、

実際仕事をするとネット上でのやりとりって多いから、

そういう点を高校生から実践的に学べるのも非常に魅力だなと。

 

人と会うことで醸成されるパーソナリティもあるだろうし、

ネットとリアルが違うことはたくさんある中で、

いかに本当の友達や、信頼関係を築いていくかについても、

いろいろと工夫を重ねているようで、

本当に、壮大な社会実験だと思います。

 

もちろん、誰にでも向く学校ではないと思うのですが、

ネットが好きで、自分でちゃんとやれる人には向いているいるのかなと。

会社で働くことが合う人と、フリーランスが合う人みたいな違いがあるんだろうな。

  

普通の学校で一斉教育には疑問を感じていたけれど、

こういうアプローチは自分の頭には全くなかったので、

非常に面白いと思いました。

 

 

29歳の今の私が高校生で学びたかったこと

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私が高校生に戻るならあったらいいなと思う授業は下記です。

 

  • お金
    お金の使い方、世の中のお金の動き

  • 多様性
    異文化、他人の理解 → 多様性の中で生きる力を考える 

  • 自己について
    自己認識。自分にとっての幸福とは。その思考による深く考える力の醸成。
    (瞑想とかに近いけど、自分が高校生のときにやっても
    意義がわかっただろうかという疑問。)


私の考えは、「WHAT(何を学ぶか、身につけるべきか)」に関することが多くて

「HOW(どうやって)」がまだまだ薄く。

しかも、ずっと「個を活かす社会」がよいと思ってるにも関わらず、

上記は大人になった自分が若者に押し付ける形になりそうな気がしてるのですが、

N高は、学生がやっていることを活かしながらそこから学びを得るやり方で、

私にはなかった発想だったなと思いました。

これが、本当に潰さない考え方なのかな。

  

若者に尊敬の念をもって、心を開いている大人でありたい。

 

皆さんは、いま思う、「あったらいいな」の授業って

何かありますか??