2度の流産を経験したので、不育症検査をしました。
2020年中に検査をしていたので、実際に検査をしてから、かなり時間がたってしまったのですが、不育症、その検査、実際の私の検査結果についてをまとめつつ、不育症について諸々情報を漁った際の、個人的に役に立ったサイトや本を紹介したいと思います。
長くなったので、気になる箇所だけどうぞ…!
スポンサーリンク
不育症の全体感
今までにもちょくちょく書いているのですが、改めて不育症について少しまとめてみます。
不育症って?
妊娠はするけれども、2回以上の流産、死産を繰り返した場合に、不育症と呼びます。
少し前までは3回以上と言われていたようですが、3回待たずとも検査をした方がよいというのが近年の見解で、定義も変化しているようです。
2回目の流産・死産が確定したら、不育症検査を勧めるよう、産婦人科ガイドラインにも書かれています。
流産の原因の多くは、赤ちゃんの染色体異常のため、防げないと言われますが、実際に、その染色体異常だったのかどうかを調べるために、まずは、2回目の流産・死産確定時に、絨毛染色体検査を受けてみることをオススメします。
(病院によっては、不育症であると伝えられることも、検査を勧められることもない場合もあるようですが…)
私も、2度目の流産を経験した不育症となり、原因究明のための検査を行いました。
都内で不育症検査ができる、不育症専門の研究をしている先生がいる病院を調べ、大学病院を選択しました。
不育症になった後、妊娠できる確率ってどのくらいあるの?
流産を繰り返していても、原因が無くとも流産自体は一定の確率で発生するものなので、次回成功率は決して低くありません。
例えば、今回の私のケース、2回流産をしたあとの妊娠成功率は72%あります。
実際、私が2回目の流産の記事を書いたあと、
「うちも2回流産したあと授かったよ!」
「うちの親も、2回流産してたみたい」
と、励ましのお言葉もたくさんいただきました。
(ご丁寧なメッセージをいただき、ありがとうございました…!!)
ただ、原因がある場合は、対策をしないと繰り返すことになってしまうため、早めに検査をしました。
どんな原因がありうるの?
上記グラフを見ていただくと、検査をしても65%は原因がわかりません。
偶発的に、たまたま染色体異常がある精子と卵子がくっついたのでしょう、ということになります。
特に明確な原因は見当たらないので、このまま妊活を続けてみましょうとなる可能性が高いです。
とはいえ、また流産をするかもしれないと思うと、もし次に妊娠したとしても、嬉しさよりも不安の方が大きくなるかもしれません。
その際は、後にご説明する、TLC(Tender Loving Care)をやっている病院を検討するのがよいかもしれません。
逆に、35%はリスク因子があります。
詳しくは、グラフ下のリンクから、ソース元を見ていただければと思うのですが、それぞれ、手術、注射、服薬、着床前診断など、より流産しにくくなる対策を選択していけます。
明確な対策がないものもあるのですが、できることがあると兆しになるかなと思います。
私が受けた不育症検査
検査って何するの?
基本は、エコーでの子宮の形状チェックと、血液検査です。
私は、不育症検査と言われる4つの検査(子宮形態検査、内分泌検査、夫婦染色体検査、抗リン脂質抗体)と、受けるかどうかを選択できる選択検査(血栓性素因スクリーニング)というものも合わせて、相方と一緒に受けました。
子宮の形状チェックは、普段の妊娠時の超音波検査とほとんど同様で、その場であっという間に終わりました。
血液検査では、相方は1日で注射3本、私は2日に渡って注射9本分の採血。
「2日で9本も採血して大丈夫なの?!」と気になって調べたら、意外と1本10ml前後で、思ったより少なかったです。
(ちなみに余談ですが、蚊は1回に1〜2ml吸うらしく、採血1本あたり蚊に5〜10回刺されるのと同様らしいです。蚊って、思ったより吸うんですね…!)
検査にかかったスケジュールと費用
東京都は不育症の助成金が5万円出るのですが、この検査だけで5万円は超えていきましたね…。いや、あるのはありがたいのですが。(不育症検査助成事業のページはこちら)
私達の場合は、10万もはかからないくらいの金額感で、助成金は申請後1.5カ月くらいで承認され、2カ月くらいで振り込まれました。
初診、検査で別日に1回、結果を聞きに行くときと、3回は最低通院が必要でした。
検査結果が出るまでは、検査後待つこと1ヶ月弱くらい。
検査結果を見て、対策を考えて、再度妊活開始となります。
2回目の妊娠から流産がわかるまで、初期流産でも2ヶ月
+ 生理が戻るまで1カ月
+ 検査ができるようになるまで3ヶ月(生理を3回見送ってからとのことでした)
+ 検査結果がわかるまで1ヶ月
なので、妊活をしない期間があっとう間に7ヶ月経ってました。
私の検査結果とできること
結果、第十二因子欠乏症
結果的に、第十二因子欠乏症にひっかかりました。
第十二因子凝固活性の下限値が60%以上が正常範囲であるところ、私は36%。
割と健康な生活をしていると思っていたので、正直これはショックでした。
しかも、血が固まりやすいとのことで、「私が…?」という気持ち。
自分の健康状態がひっかかったこと自体に少し落ち込んだのですが、冷静に考えると、原因が見つかれば、対策ができるという意味では、原因不明のまま何度もつわりや流産を繰り返すよりはよいなと思い直しました(原因がわからなくても、次に出産できる可能性も一定あるのですが)。
第十二因子欠乏症への対応:バイアスピリン服用
気休め程度の治療しかないみたいではあるんですけどね。
気休めとしてできることは、血液をサラサラにする薬として、バイアスピリンの薬を服用をすることなのですが、あまり明確な効果が得られているものではないようです。
やらないよりは効くのでは…くらいで、まだまだ研究途中らしく。
(不育症自体、まだまだ解明されてないことが多いですしね…)
とはいえ、気休めだとしても、他に何ができるわけでもないので、「何かできるならやりたい…!」という気持ちが強かったです。
ちなみに、妊娠の可能性がある期間は、1日1回、夕食後に毎日服用します。
すなわち、排卵日から、次の生理日までは毎日服用、もしも生理が来たらストップし、次の排卵日からまた服用です。半月毎日は必ず飲むことになります。
妊娠となって生理が来なかった場合は、そのまま妊娠28週、または、35週まで毎日服用を続けます。
不育症によるバイアスピリン服用の場合は薬代が保険適応外になり、病院?薬局?によって値段が変わりますが、30日分で2,000円前後くらいのイメージです。
妊娠するまでの期間は、1カ月に1,000円、妊娠発覚後で、13,000〜16,500円くらいかかる感じですね。(病院によっては、妊娠中は保険適応になる場合もあるようです…。謎。)
安くはないですが、おそらく、他の治療と比べると、まだ費用負担はかなりマシだと思います。
次に妊娠した際にTLC外来受診を検討
これは、原因が第十二因子欠乏症であるに限らず、流産・死産を経験した後、妊娠をした場合に、できることです。
不育症外来がある病院の一部には、TLC(Tender Loving Care)外来が併設されているところがあり、そこに通院することをおすすめされました。
病院によるかもしれませんが、不育症妊婦健診とも言われ、反復流産経験者に対し、妊娠初期にまた流産をするかもしれないという不安を少しでも和らげるために、少なくとも週に1回検診をし、少し時間をかけて診察をしてもらうことができます(通常の初期検診は2週間後か4週間後)。
ストレスも流産の原因になりうるためだと思うのですが、TLCに通うことによって、出産率が高くなるというデータもあります。
しかも、不育症リスクがない場合、次の妊娠率が61.5%→92.1%と1.5倍にもなるという…!(岡山大学大学院保健学研究科 中塚幹也先生のオンライン授業より)
流産の不安があると、産婦人科の先生のちょっとした言葉や情報にも敏感になって、病院から帰宅後も自分でいろいろと調べてまた不安を募らせたりするため、専門外来で不育症の方ばかりを診ている先生に診ていただけるというだけでも、かなり気持ちは楽になりそうです。
不育症に関するオススメの本やサイト
不妊治療はだいぶ有名になってきたものの、不育症についての情報は、まだまだ少ないなと感じています。
もっとよい情報源がありそうな気もしつつ、私が見つけてよかったと思うものを並べてみます。
Fuiku-Labo
国立研究開発法人日本医療研究開発機構委託事業としてのWebサイトです。
不育症を調べると名前が出てくる、研究者の先生方の名前が並んでいて、信頼感があると同時に、非常に読みやすいです。
また、不育症研究機関のページもあり、信頼できる病院探しの参考にもなるかもしれません。
厚生労働省の不育症に関する取り組み
2020年に、不育症対策プロジェクトチームが立ち上がったようです。
全国の不育症相談窓口一覧があるので、病院選びの参考にもなりますし、不育症対策プロジェクトチームの資料にも、有識者のデータや声などがあり、参考になります。
岡山大学の「学ぼう!妊娠・子育て」プロジェクト
不育症研究者としてよく名前を聞く、岡山大学の中塚先生の講義を、岡大の学生でなくてもオンラインで覗けます。
いろんな先生が講義をされている中の一つが、不育症に関するものなので、関係するのは一部ではありますが、過去のアーカイブも見れます。
最新のデータも含め、かなりデータ豊富なので、数字が気になる方には個人的に最もオススメです。
ただ、見れるようになるために、FAXや大学のオンラインサービスへの登録が必要だったりするので、やや手間がかかるのが難点なのですが。
ASCAさんのブログ
不育症患者の一人として、かなり詳しく、いろんなことを調べて書いてくださってます。
ソースもしっかりしているものの、上記までと違ってブログ形式なので、読みやすくもあり、貴重な情報です。
不育症戦記
他、周囲に流産・死産を経験した方がいる場合の参考
妊娠初期に周囲に妊娠の事実を言わない風習って、流産になった場合に周囲に説明するのも大変だし、周囲もどう反応していいか困るからなのかなぁと考えています。
ただ、私個人としては、つわりも流産も、一人で抱え込む方が大変だなぁと思っており、周囲が許すなら、聞いてもらえたら楽だなと感じています。
(私の場合は、実際に聞いてもらえて、本当にありがたかったなと…!)
そして、私はまだ淡々としている方だと思うのですが、みんながそうではないし、「とはいえ、いきなりそんな話をされても、どんな気持ちか想像しづらいし、どうしていいかわからない。少しでも理解したい…!」という方がもしいらっしゃれば、下記にいろんな方の気持ちや体験が載っていますので、ご参考になれば。
(私も、他の経験者の方の気持ちを少しでも理解するのに勉強になったなと思います)
■UMUの記事
■厚生労働省不育症対策プロジェクトチームの資料の1つ
余談
ちなみに、超余談ですが。
不育症検査の採血をしたとき、ファスティングの真っ最中でした。
「なんでそんなときに?!」という感じだと思うのですが、妊娠中にファスティングはオススメされないし、でも、ファスティングによってホルモンが整うと言う話もあるので、妊活のためにも、次の妊活開始までに一旦腸をきれいにしておきたいなという気持ちもあり。
(実際、ファスティング後、生理痛がほとんどなくなったので、体には変化が起きました。)
そして、流産後、自分の体が落ち着いてから、自分の生理周期的に最もファスティング効果が高いと言われる日程で、妊活開始までに詰め込んだら、被りました。
検査結果に影響しそうなので、もう少しずらせばよかったなと思いつつ、、、なんにせよ次回の可能性が高まるなら、いいかな、と思ってます。
もし、流産のときの様子が気になる場合は、1回目、2回目とそれぞれ記事を書いていますので、こちらをご参照ください。
1回目:
2回目:
※ 追記
ブログを公開した日に、2回連続流産経験者の、着床前診断が保険適応になることを検討するというニュースが流れてきました。
少しずつ、不育症も検討対象になってきているようで、嬉しいです。
救われる方が増えますように。