かなり経ってしまったのですが、2020年9月〜10月に、グーグルのマインドフルネスプログラム、サーチ・インサイド・ユアセルフ(以下SIY)を受けました。
ここ5年ほど抱えていたモヤモヤが晴れ、また、なかなか続かなかった瞑想が、現在毎日30分以上を4ヶ月ほど続けられています(正確には、数日できてないけれど)。
私にとって学びが大きかったので、書き出してみます。
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私がSIYを受けようと思ったきっかけ
2016年にヴィパッサナー瞑想の10日間の合宿に行った(下記記事参照)くらいには、マインドフルネスや瞑想に興味を持っていたのですが、なかなか日常に活かせる感覚を持てず。
むしろ日常から離れないといけないのかな…と感じていたんですよね。
それが、SIYなら、日常に取り入れられるのではと思ったからです。
元々思っていたモヤモヤをもう少し言ってみると、
上記合宿中に、講師の方に質問できる機会が1日1回設けられていたのですが、そのときに質問をしたものの、解決できないでいる問題がありました。
「瞑想で、嫌悪と渇望を捨てなさいと言われるが、成長欲求は捨てるべき渇望なのか?」
これは、私の中で、成長欲求のために自分が苦しんでいるのを感じていたから。
この質問に、講師の方は、
「違います。渇望とは、『あの服がほしい』『この食べ物を食べたい』という類のものです」
と回答してくれ、成長欲求自体は持っていて良いものであるとのことでした。
回答は得られたものの、どう違うのかピンと来ず。
しかも、ヴィパッサナー瞑想は、合宿終了後も1日に1時間×2回の瞑想が推奨されるので、結局、「『お坊さんのようになりなさい』ということなのか…?」と。
「さすがに毎日2時間瞑想とか無理でしょ」と、私はすぐに現実に戻ってしまってました。
そんな中、2020年の夏に、なにかのきっかけで下記の記事を見まして。
本の「サーチ・インサイド・ユアセルフ」は瞑想合宿に行く前に読んでいたのですが、日本でもそのプログラムを受けられることを、下記で初めて知りました。
そして、仕事に活かす方法を知ることができそうだというのが、私が抱えていた成長欲求とマインドフルネスをつないでくれるのではと期待して、下記MiLiのプログラムに早速申し込んでみました。
プログラムの概要
MiLiのサイトの説明文より。
Googleで開発された、最新の脳科学に基づくリーダーシップ、マネジメントのパフォーマンス向上のための画期的な研修プログラム「SIY」。
マインドフルネスに基づく、最先端のプログラムで心の知能指数(エモーショナル・インテリジェンス)における「5つの要素」=自己認識・自己制御・モチベーション・共感・コミュニケーションに着目した「心と思考力」を科学的アプローチで強化します。
Google、SAP、フォード、LinkedIn、UCバークレービジネススクールなど名だたる組織で次々と採用され、日本国内でも注目の企業に続々採用されています。
EQ(Emotional Intelligence Quotient)の5つの要素それぞれにおける、マインドフルネスの背景理論や活かし方を、講義、体験、対話を通して学ぶことができます。
下記のように継続のためのサポートもあり、セミナーとこのサポートおかげで、私は瞑想を続けることができるようになりました。
なぜSIYが私にささったのか?
具体的な学びに入る前に。
この5年、本も読みながら深めようとはしていたものの、晴れなかったモヤモヤが晴れるというのは、個人的にはかなり感動的なことだったのですが、なぜこれが起こったのか。
結局、私は一定思考が強い人間だからかなぁと思っています。
今まで日常とマインドフルネスがかけ離れていると感じていたのが、マインドフルネスが日常やビジネスに活きる科学的な観点(データや脳科学など)の説明を理解したことで、すっと納得できたことが大きいと感じてます。
マインドフルネスは目的を本来持たないものではありますが、結果的にもたらす効用が科学され、それが先にわかることで、納得してできるようになりました。
さらに、科学的な説明という点だけだと、本でもたくさんありはするのですが。
本は、思いっきり日常の科学的効用か、宗教&スピリチュアリティの、どちらかのものが多い気がしているのですが、このプログラムはこれらを繋いでくれたためにすっきりしたのだと思います。
宗教やスピリチュアリティなどをそのまま信じられるような人は、問題なく入っていけるのかもしれないのですが、東洋→西洋→科学されて戻ってくる というプロセスを経て、それらとの繋がりを頭で一定理解することで、自分の日常的実践を許しきれたのかなぁと。
また、ヘルスコーチングやヨガなどを学んでいる中で、「なんかどれもおんなじようなことを言ってる…?!」とピンと来るタイミングだったからも大きい気がしてます。
個人的な大きな学び
マインドフルネスは向上心をむしろ高める
もともと持っていたモヤモヤが解決したのは、これがわかったから。
マインドフルネスで集中力が高まるというのはよく聞きますが、仕事を考えると、
・今ここを考える⇔未来を考える
・ただ足るを知る⇔成長欲求をもつ
あたりに矛盾を感じていました。
けれど、左側をしっかり見ると、右側は自然と湧き上がってくるもののようで、実際、自分を不足していると考えるより、ありのままに認める方がモチベーションも改善欲求も高まるようです。
ただ、右側から左側には行けない。
足元をしっかりさせることで、未来への一歩を踏み出せるようになるイメージです。
多くの人が、親友が自分と同じ状況になったら思いやりのある励ましの言葉をかけるのに、自分に対しては厳しい言葉を投げてしまう。
親友に声をかけるように、自分に思いやりの言葉をかける「セルフコンパッション」という考え方や瞑想があるのですが、それを知ることができたのも、個人的には大きなことでした。(最もマインドフルネスの効果のある瞑想と言っている人もいるようです。)
虚構の自分は大きくなっていく
「虚構の自分」は、他の参加者の方が言っていた言葉なのですが、すごく刺さりました。
頑張っていると、なりたい自分の姿を持っている人も多いのではと思います。
それ自体は素晴らしいことで、それがあるから頑張れるというのは大いにあります。
ただ、もし、そのために苦しんでいるなら、なりたい自分の姿が、なんでもできる完璧な虚構の自分になっていないか?
そして、その虚構の自分からの引き算として、不足している点ばかりを見てしまっていないか?
過去の自分と比べると、成長しているはずなのに、成長すればするほど、目指したい虚構の自分は一層早いペースで前に進んで行き、一生追いつけない。
「マインドフルネスはむしろ向上心を高める」と結局同じことで、私の理解なのですが、今の自分を認めて、そこからのプラスで考えていくことが、結局はたどり着ける自分の姿は、なりたい自分に近づくとのことでした。
私自身が引き算で考えがちだったので、目から鱗でした。
マインドフルネスでは喜怒哀楽が豊かになる。ポジティブすぎるのも危ない
マインドフルネスを日常に馴染ませていった先にあるのは、自分の感情に気づきやすくなり、対処しやすくなること。
つまり、いつでもポジティブでいられるのがゴールではありません。
いつでもポジティブでいる人は、本当に心からポジティブであれば大丈夫なのですが、「ポジティブでなければならない」と思って、負の感情に蓋をしていると、そのうちバーンアウト(燃え尽き症候群)が起こるとのこと。
そのため、知らずに負の感情に蓋をしていた場合は、マインドフルネスによって負の感情も増えることになります。
ただ、負の感情に気づいて、素早く対処できるようになると、少しずつ自分の心地よいことが分かってきて、負の選択を避けていくことはできます。
とはいえ、自分でコントロールできることは半分以下とも言われているので、予期せぬことが起こって負の感情が出てくることは避けられません。
その感情に対する思考や行動の対処を知っていおくこと、また、レジリエンスを身に付けておくことが大事になってきます。
おわりに
ざっくり個人的に大きな学びを書き出してみました。
が、非常にたくさんのことを一気に詰め込んでいる感じがしていたので、これはどんなタイミングで受けるのかで、学びが大きく変わってくると思います。
同じバッチで受けた他の受講者の方とのシェアも非常に学びになったのですが、みなさんそれぞれ異なる学びを持っていて、それも興味深かったです。
瞑想の種類や科学的効果を体系的に学べて、マインドフルネスを日常に活かす方法まで細かく説明してくれ、さらに、質疑応答も学び多き場でした。
定期的に受けたいくらいです。
しばしば、振り返って、さらに日常に取り込んでいきたいと思います。
そして、このプログラムを主催しているMiLiが月〜土曜日の朝6時から30分間、無料で瞑想ガイドをしてくれているおかげで、私は日々学びつつ続けられています。
下記、ご興味ある方いらっしゃれば。
サーチインサイドユアセルフについて、まずは本で読んでみたいという方は下記。
セルフコンパッションについて、データや研究から簡単に理解したいという方は下記がわかりやすかったです。